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支払督促は請求金額に関係なく申立てができ、金銭取立てのための有効な手段です!

 支払督促とは、貸金、賃金等の金銭債権について、相手方がこれを支払わない場合に訴訟手続きによらず、 簡易迅速な方法で支払いを強制的に行わせる制度です。支払督促は、債務者の協力を期待出来ないなかで、 費用も安く簡単に行え、必ずしも専門的知識を必要としない制度であり、一般の方でも容易に利用できます。

 この制度は、原則として申し立てる人の申立書だけで審理し、その請求が矛盾なく筋が通っていれば、 裁判所書記官から支払いを命ずる支払督促が相手方に送られるのです。
 支払督促は小口金融、信販業、サラ金、クレジット会社にとっては債権回収の手段として当たり前のように利用されている制度です。

 但し、支払督促には大きなメリットがある反面、デメリットもあります。以下にメリット、デメリットを 紹介致します。また、どういう方が支払督促を利用するのが良いかも記載致しますので参考にして下さい。
【支払督促のメリット】
  1. 原則として申立人が記載した理由のみで発令され、証拠調べや審理が行われない。
     支払督促の良い点は、この申立人が申立書に記載した理由のみで、簡易裁判所書記官が支払督促を発 令して頂ける点です。相手方の意見は全く聞きません。従って、極端なことを言えば、全く在りもしな い理由で、見知らぬ人に対して支払督促を出す事も出来てしまいます。こんなことは当然やってはなら ないことですが、支払督促を送付された相手方は、身に覚えが無いから無視してればいいやと何もしな いでいると大変なことになってしまいます。異議申立てをせずに、申立人が仮執行宣言の申立て手続き を始めてしまうと強制執行されて、財産を差し押さえられてしまうというこも有り得るからです。

  2. 手数料は通常裁判の半分。

  3. 請求する金額に上限が無い(少額訴訟は60万円まで)
     支払督促で請求する金額には上限がありません。通常裁判では、簡易裁判所では140万円以下の金 銭債権を目的としていなければならず、請求金額が140万円を超える場合は、地方裁判所に訴訟を起 こさなくてはなりません。また、支払督促から通常訴訟に移行した場合は、140万円以下なら相手方 の住所地を管轄する簡易裁判所が審理を担当し、140万円を超える場合は、相手方の住所地を管轄す る地方裁判所が審理を担当することになります。

【支払督促のデメリット】
  1. 相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申立てなければならない。
     支払督促最大のデメリットは、この管轄裁判所の制限であると言っても過言ではありません。支払督 促は相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てなければなりません。ここまではいいのですが、 相手方が異議を申し立てた場合、その事件に関しては、相手方の住所地を管轄する簡易(地方)裁判所 で裁判が行われることになってしまいます。

    せっかく申し立てても、相手方が遠隔地に住む場合に異議申立てされてしまったら、相手方の住所地の 裁判所で毎回裁判が行われることになってしまいます。この場合、裁判所までの交通費と費やす時間と で、債権回収以上に費用が重なってしまうという洒落にならない事態が起こり得ます。

    よって、支払督促を申し立てる際は、請求の内容に争いがなく、異議申立てされる可能性が少なく、仮 に異議申立てされたとしても、相手方の住所地が申立人の近くであることが支払督促を利用する際の指 針になると言えます。

  2. 相手方が住所不明の場合、裁判所の掲示板に張り出し、送達したこととみなす「公示送達」の方法が使えない。
     公示送達とは、書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付することを裁 判所の掲示場に掲示して、一定期間(通常2週間)経過すれば送達があったこととする送達方法です。 公示送達は、送達すべき者の住所等が不明の場合、郵便によって送達する事が出来ない場合等に限られ ます。

     支払督促では、この公示送達によって発付することができません。支払督促は何の証拠調べもせず、 債権者の言い分のみによって発せられるので、支払督促の送達も公示送達で良いとするならば、債務者 が簡易裁判所の掲示場を見て、自分に支払督促が発せられているのを知る機会などほとんど無いでしょ うから、債務者が異議申立てする機会が失われてしまいます。これを認めてしまうと、事実と異なる支 払督促が公示送達という方法によって乱発され、悪用される可能性が高いため、支払督促では公示送達 の方法を用いることが出来ません。

  3. 相手方が異議申立てをした場合、通常訴訟に移行する。
     支払督促は申立人の記載した理由のみで発令されるものなので、相手方にとっては不利であると言え ます。そこで、相手方には救済措置があります。それは、支払督促が相手方に到達した日から14日以 内に異議申立てが出来ることです。異議申立てがなされた場合、支払督促は無効となり、通常訴訟に移 行することになります。また、この異議申立てについては、単にお金が無いからと一言記載するだけで もきちんとした異議申立てになります。

     但し、支払督促から通常訴訟に移行するほとんどのケースが、ほとんど結果が見えているようなもの です。裁判では、裁判官によって事実確認が行われ、事実に余程相違が無い限り、後は今後の債務返済 計画について話し合いが行われるだけで、支払督促を申立てた債権者が、裁判の勝敗について不安に考 える必要はほとんどありません。通常訴訟に移行すると面倒だから支払督促を避けたいと考えている方 はあまりこの点に関しては気にする必要はありません。債権が有効で適法に存在しているものであれば、 通常訴訟に移行してもきちんと納得のいく結果を得られるはずです。

  4. 通常訴訟に移行した場合、相手方の住所地を管轄する簡易(地方)裁判所で裁判が行われる。
     上記項目1で記載したとおり。

【こんな方、法人様は支払督促がおすすめ】
  1. 請求の内容に間違いが無く、契約書や念書等、債権の有効性を証明できる方。

  2. 請求の内容に間違いが無く、異議申立てされる可能性が少ない方。

  3. 異議申立てされたとしても、相手方の住所地が自分の住所地と近くの方。

  4. 請求金額が高額な方

  5. 売掛金の回収を目的としている個人、法人
     法人の場合、裁判所の許可を得れば、社員が代理して法廷に立つことが出来ます。
 つまり、上記項目をまとめて言うと、支払督促は、大量かつ定型的な請求を迅速に処理する場合、債務者 が争う姿勢が無い場合に向いていると言えます。債務者が債務の存在について争わないことが明確な場合、 支払督促の効力が発揮できると言えます。
 逆に、支払督促を利用しても意味の無いケースは、債務者がその請求について争っている場合です。この 場合、異議申立てされるのは必然なので、支払督促ではなく、始めから通常訴訟を起こすことをおすすめし ます。また、相手方が複数いて、その複数人に対して同時に請求する場合、それらの相手方の住所が同一の 簡易裁判所の管轄の中にいない場合も注意が必要です。この場合は、それぞれの簡易裁判所の書記官に支払 督促を申立てなければならないことになりますので、手間や印紙代が人数分かかることになってしまいます。

 以上のことを参考にして支払督促を利用するか、最初から裁判を起こすのか、判断の基準にして頂ければ と思います。

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