●被告が判決や和解に従わない場合
訴訟を提起して勝訴判決を得たとしても、
被告が判決文中に書いてある事柄をきちんと履行してくれないと裁判をした意味がありません。
判決の出た後に、被告に対して通知書を出すと良いと前述しました。
しかし、それでも被告が任意に支払ってくれない場合があります。
その場合は、相手方の財産を調べて強制執行をして、債権を回収する必要があります。
少額訴訟の判決の場合、『仮執行宣言』というものが付与されます。仮執行宣言とは、
判決の言い渡しがあれば、判決の確定を待たずに執行力が与えられる事を言います。
つまり、仮執行宣言が付与された判決を言い渡された場合、
直ちに強制執行を行うことが出来ます。そして、少額訴訟の判決には必ず仮執行宣言が付与されます。
しかし、少額訴訟で争っている金額は少額な場合が大半なので、勝訴判決を得ても、相手方が金銭の支払いを任意に履行してくれないと、
債権を回収するのは困難と言えるでしょう。
なぜなら強制執行をするのにも、相手方の財産を調査したり、執行申立ての準備をしたりと何かと面倒なことが多いからです。
しかも、不動産の差し押さえともなれば、40万円以上費用が掛かり、売却まで半年近く掛かったりと、時間とお金が掛かります。
不動産の差し押さえは少額訴訟には向かないと言えます。
迅速に金銭トラブルを解決したくて少額訴訟を提起したのに、これでは原告にとって負担が多すぎます。
そこで少額訴訟制度には、原告の同意を得ずに、支払猶予、分割払いを命じる判決を言い渡せるようになっています。
この制度により、被告が任意に金銭の支払いを行えるようになっています。
このような支払猶予・分割払いの判決を言い渡すことが出来るのは、裁判官が被告の経済状況や、
その他の事情を考慮して、特に必要があると判断した場合です。
そして、支払猶予・分割払いの判決が言い渡される場合には、
支払猶予・分割払いの期間は、判決の言い渡しの日から3年以内でなければなりません。
被告が支払猶予・分割払いの条件を守って支払いを終えれば、そこで事件が解決することになります。
万が一、被告がこれらの条件を守らない場合、被告には様々な不利益が被ります。
分割払いの判決が言い渡された場合、分割払いの時期に被告が支払いをしなければ、
残額を一括して支払わなければならなくなります。これらは、裁判官が決めることなのですが、
通常一回、二回支払いを怠った場合に一括して支払うことになります。
このように、少額訴訟制度には、原告の負担を少しでも軽減するために様々な制度が設けられています。
そして、これでも被告が任意に支払いに応じてくれない場合は、強制執行する必要があります。
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